地目変更の実際

土地を特定する3要素

不動産登記法によると、土地の登記情報には、①地番②地目③地積の3つがあります。この3つが符合するなら、その土地は同じ土地ということになります。
人間でいえば、住所、職業、年齢が名簿と一致する、みたいな感じでしょうか。①地番②地積は土地の位置・形状が特定できれば、自ずと決まるものと言えるでしょう。
これに対して、②地目というのは、現況や利用目的を観察して客観的に定めないといけません。

地目は何があるのか?

地目は建物の種類と違って、法律で定められた23種類のうちの1種類だけ登記できます。23種類とは、田・畑・牧場・山林・原野・保安林・墓地・堤・鉱泉地・鉄道用地・運河用地・境内地・宅地・学校用地・用悪水路・公衆用道路・ため池・水道用地・池沼・塩田・公園・井溝・雑種地 のことです。それぞれに定義があります。石油タンクは建物ではありませんが、敷地は宅地となります。このように、考えてもわからないものもあります。

1筆の土地に地目が複数ある場合

この場合は、全体の状況を観察し、現況や利用目的から客観的に1つを定めます。例えば、居宅と屋内プールがあるような場合、全体として「宅地」と定めます。
ただ基本的には1筆の土地に一つだけ地目が定まるので、畑に居宅があるような土地は、畑部分と居宅部分に分筆して登記する必要があります。

地目変更した場合

駐車場に家を建てた時などは、地目が雑種地から宅地へ変更しないといけません。測量は必須ではありませんが、必ず現地調査をして、調査結果の報告とともに変更登記申請します。

地目変更は、原則は地目が変更してから申請します。宅地になる場合は、これから宅地になるという予定の段階ではなくて、現に建物が建って宅地になっている必要があります。宅地造成中の原野を、とりあえず雑種地として登記するということもできません。ちゃんと宅地になってから地目変更します。ただ、なんでもかんでも杓子定規に適用していたら経済活動に支障がでますので、やっぱりと言いますか、いろいろ例外的な取り扱いがあります。また田や畑などの場合は、農地法の規制がかかるので、地目を変更する前に自治体の許可が必要になります。

地目変更登記は、基本的に測量の必要がないので、比較的簡単そうに思えますが、土地というものはいろいろと制約があったりするので、登記申請をする前に、やはり一度は土地家屋調査士に相談することをおすすめします。
(地目変更の場合は、連動して固定資産税が変わることもあることに留意してください。)